nuvellazeruneのブログ

春夏はサングラスや金属アクセ、秋冬はマフラーやレザー小物など、季節感をプラスする小物の着こなし術を発信しています。四季折々のファッションを小物から楽しみましょう!

春のダウンは着膨れする?2 モンクレール 1952のドローストリングで変わるシルエット

季節を彩る小物たち:スカーフ・帽子・アクセのシーズンコーデ

春先のアウター選びで困るのは、暖かさを優先すると着こなしが重たくなり、見た目を軽くしようとすると朝晩の冷え込みが気になること。特にボリュームのあるダウンは、冬なら自然に着られても、薄手のパンツや軽いスカートが増える季節には少しバランスが難しい。そんな悩みを考えるうえで面白いのが、ヴェロニカ・レオーニが手掛けた2 モンクレール 1952 ウィメンズの2021年春夏コレクションだ。ダウンジャケットやジレに加え、トレンチコート、ニット、ワイドパンツまでそろい、スポーティーな機能性を日常の装いに取り入れる発想が見られる。なかでも気になるのは、裾にドローストリングを配したダウンジャケット。ボリュームをただ大きく見せるのではなく、裾の形を調整してシルエットに変化をつけられるところが、このコレクションらしい。


ドローストリング付きのジャケットを着こなすなら、まず考えたいのは裾をどこまで絞るかという問題だ。強く絞れば裾が丸くなり、上半身に立体感が出る。反対に、紐を緩めて着ればボリュームが下に流れ、より自然なブルゾンのような形になる。個人的には、最初から極端に絞るよりも、少し余裕を残した着方のほうが日常には取り入れやすそうだ。ボトムスに細身のパンツを合わせれば上半身のボリュームが際立ち、落ち感のあるワイドパンツなら全体にゆとりのある雰囲気が生まれる。ただし、上下ともにボリュームを出すと、身長や丈のバランスによっては全身が大きく見えることもある。ジャケットの形だけでなく、パンツの裾が靴にどう重なるかまで考えると、着こなしがまとまりやすい。


もうひとつ注目したいのが、ダイヤモンドキルティングのダウンジャケットだ。一般的な水平のキルティングとは違い、斜めに交差する縫い目が視覚的なリズムをつくり、ダウンのボリュームに表情を与えている。装飾的な印象があるため、スポーティーなジャケットでありながら、シンプルなパンツやスカートとも合わせやすそうだ。たとえば、黒のキルティングジャケットに白いカットソー、グレーのストレートパンツを組み合わせれば、柄や色を増やさなくても素材の陰影がスタイリングのポイントになる。反対に、バッグや靴まで装飾的なものにすると、キルティングの特徴が目立ちにくくなるかもしれない。服そのものに立体感があるときは、小物で盛り込みすぎないほうが、かえって洗練された印象につながると思う。


このコレクションの中で、春らしい着こなしを考えるなら、チョークホワイトのトレンチコートも見逃せない。ベージュのトレンチは定番だけれど、白に近い色を選ぶと、同じ形でもぐっと軽やかな雰囲気になる。黒のパンツと合わせれば輪郭がはっきりし、淡いグレーやセージカラーを合わせれば、柔らかな色の重なりを楽しめる。ウエストベルトを締めて着れば、ゆったりしたアウターでも身体のラインにメリハリが生まれる。反対に、ベルトを結ばずに羽織れば、力の抜けたスタイルに仕上げやすい。ただし、白系のアウターは汚れが目立ちやすく、袖口や襟元の状態が見た目に影響しやすい点には注意したい。デザインが好みでも、汚れを気にせず着たい人には少し気を遣う色かもしれない。


トレンチコートとパーカーを比べると、同じ軽いアウターでも使い方はかなり違う。ウエストベルトと裾のドローストリング、リブコットンの襟を組み合わせたパーカーは、スポーティーな要素がはっきりしていて、デニムやスニーカーと相性がよさそうだ。一方、トレンチコートはシャツやニットの上から羽織るだけで、少しきちんとした印象をつくりやすい。休日の買い物や散歩が中心ならパーカー、仕事帰りの食事や街での外出にも使いたいならトレンチという選び方もできる。もちろん、手持ちのアウターによっても判断は変わる。すでにベーシックなトレンチを持っているなら、シルエットを変えられるパーカーを選ぶほうが、ワードローブに新しい役割を加えやすいだろう。


色使いも、このコレクションを着こなすうえで重要なポイントだ。チョークホワイトやシーフォーム、セージのような淡い色に、テラコッタやチョコレート、リッチベリーといった深みのある色が加わることで、甘さだけに寄らない配色になっている。淡い色のアウターは、白やライトグレーのインナーと合わせると清潔感が出る一方、全身を淡色でまとめると輪郭がぼやけることもある。そんなときは、靴やバッグに濃い色をひとつ入れるとバランスが整いやすい。反対に、テラコッタやチョコレート系のアイテムなら、アイボリーやベージュと組み合わせることで色の深みが生きる。色の組み合わせを考えるのが苦手な人は、最初から全身の配色を増やさず、アウターとボトムスの二色を基本にしてみるとよさそうだ。


ニットやボーダー柄トップスにも、機能性とデザイン性を組み合わせる考え方が見られる。ベルトでウエストを絞れるハイゲージニットは、身体のラインを調整しやすく、ワイドパンツと合わせても上半身が間延びしにくい。一方、ネット状のポケットを配したボーダートップスは、装飾の少ないニットとは違い、スポーティーな雰囲気が強い。どちらも一枚で着るだけでなく、アウターの中に合わせることで印象を変えられるアイテムだろう。比較対象として、マックスマーラのトレンチや軽いコートを思い浮かべると、端正なシルエットを重視する選択肢と、ドローストリングやキルティングで形を変える選択肢の違いがわかりやすい。前者はきれいめな装いに取り入れやすく、今回のモンクレールはスポーティーな要素を残した着こなしに向いていそうだ。


購入する価値があるかを考えるなら、見た目の好みだけでなく、春先にどんなアウターが必要なのかを整理しておきたい。寒暖差への対応を重視するなら、ダウンの仕様や生地の厚さを確認する必要があるし、軽やかな着こなしが目的なら、トレンチやパーカーのほうが出番を増やせるかもしれない。素材の具体的な組成や重量は紹介情報だけでは判断できないため、実際の商品情報で確かめたいところだ。私なら、まず手持ちのパンツや靴と合わせやすい色を選び、裾を絞った状態と緩めた状態の両方を想像してみる。気温が少し上がった午後、白いトレンチを羽織って、足元だけ黒で締める。そんな何気ない日の服装に自然になじむ一着なら、季節限定のデザインでも手に取る理由が生まれそうだ。